家庭血圧の測定

血圧の変動

血圧の日内変動(体内時間&日内リズム)

起きて活動をしているときは交感神経の活動により血管は軽く収縮し、また、心臓も活発に働いています。一方、夜、休んでいる時には副交感神経が優位に働き、血管を広げるとともに心臓もゆっくりとした動きになります。心臓の働きや血管の状態により起きて活動をしている時の血圧と、夜、睡眠をとっている時の血圧は10〜20mmHgも違っているのが正常で、規則正しいリズムを刻んでいることが望ましい状態です。

瞬間風速(瞬間的最高血圧の上昇)と平均風速(最高血圧の上昇)

 血圧が測るたびに違った値でどれが本当の血圧?としばしば質問を受けますが、測定された血圧すべてが正しい血圧です。これは、台風の最大風速と最大瞬間風速の関係に似ています。即ち、瞬間的にでも最高血圧が非常に高い場合は台風の際の最大瞬間風速が非常に大きく大きな被害をもたらす様に、また、ビル風の様に強風を引き起こす原因が別であっても、どのような原因であれ最高血圧が非常に高い場合には臓器出血(眼球など目に触れる部分など)や動脈瘤の破裂などの重篤な病態をひこ起こします。

瞬間風速(瞬間的最高血圧の上昇)に惑わされない

 立っている時と座ってからの血圧が20mmHg以上のときや、一回目の血圧測定と2回めの血圧測定との値が最高血圧で20mmHg以上あるときには、動脈が非常に硬くなっている可能性があります。

 この様に何回か血圧を測定する意味はありますが、台風や大風が吹き荒れそうな天候の場合は瞬間最大風速は非常に大切なことですが、やや強い風の状態であっても、特に危険な状況で無い限り、そんなに風の強さは図りませんん。血圧もこれと同じで、最高血圧が180mmHg以上の場合や、心不全や動脈瘤、脳梗塞、心筋梗塞など血圧が直接疾病を悪化させる場合を除き、少々違っていても問題にはなりません。この様な場合は血圧が高めで推移しているのか、普通なのかが重要なことです。

血圧が高めである(140mmHg以上が続いている)

 血圧が高い状態が続くと、血管はその高い圧に対応しざるを得なくなり、次第に血管壁が分厚くなってきます。動脈硬化の始まりです。まだ、この時点では血圧を普通の血圧に下げることで血管壁の変化を食止めることが可能です(高血圧の指摘から2〜5年以内)。この状態でも脂質代謝異常や糖代謝異常が加わると、血管壁への酸化ストレスが更に進行し、次第に戻れなくなってきて、プラーク形成へと進んでいきます。動脈硬化の進行が血圧を高め、一層の動脈硬化へと進行していきます。