生活習慣病について

*生活習慣病は異常値を示さずに進行する

 生活習慣病は高血圧、糖尿病、脂質代謝異常など生活の乱れや食生活上の味付けや嗜好などに由来する慢性疾患を示す言葉として定着してきました。最近ではCOPD(閉塞性肺疾患)も禁煙運動の高まりとともに取り上げられるようになってきました。

 生活習慣病の大きな特徴の一つとして、軽症からある程度重症に至るまでほとんど症状が無いことにあります。このため、健康診断で指摘されても放置され、重篤な病態になってからあるいは生活習慣病が引き起こす不可逆的な疾病が発症してから悔やむことが多いのが現状です。

死の四重奏(メタボリックシンドローム)

 肥満に加え血圧や血糖値、中性脂肪の値が正常値よりわずかに高いだけでも死亡率が健康な人と比較して5倍程度高くなります。このため、肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症の4疾患が合併した場合にしばしば死の四重奏とされています。

 メタボリックシンドロームあるいは四重奏状態を指摘された時、保健指導に従い生活改善を行うことが大切ですが、通常の健康診断では行われていない血管内皮反応試験(FMD)や頸動脈超音波検査で頸動脈の内膜の状態の確認が必要です。

治療の主治医は貴方自身

 生活習慣病の治療は薬ではなく、生活習慣を如何に変えていくかです。生活習慣を変えることが出来るのは貴方自身しかいません。従って、治療を行う際の主治医は貴方自身です。

 ”医療情報の少ない素人が治療を行うのは無理”、と何もしないでいる。あるいは”TV,雑誌の情報を信じて誤った方法で”、とサブリメントに頼って悪化させる。といった事態を非常に多く経験します。

 健康診断(人間ドック)は目立った病気の状態があるかどうかが判定されるだけです。異常を指摘しても、精密検査の必要性、あるいは医療機関受診を進められるだけです。どんな生活習慣から出てきた異常なのかまでの判断は行われないのが人間ドックや健康診断で、保健指導も一般論で行われています。

医療機関を上手に利用する!

 当診療所では、健康診断の結果を解析し、生活習慣の改善の方向性を見出すとともに改善のための方法を主治医や保健指導、栄養相談を利用してその人にあった手段で、持続可能な改善を図っています。