肥満 (生活の時間と食&運動 習慣)

 近年、食習慣や運動習慣だけでなく生活時間の乱れが、様々な疾病の元になっていることが判明してきました。

肥満

不規則な食事は肥満の原因の一つ(特に夜食など深夜の食事)

 食事をすると、腸管から吸収された栄養は肝臓で処理をされます。一般に炭水化物は主にブドウ糖の状態で、タンパク質はアミノ酸とトリ(ジ)ペプチドの形で、脂肪分は脂肪酸とモノグリセライド、グリセロールで吸収されます。食事から吸収までの時間は炭水化物で30分以内から始まりますが、タンパク質で1時間程度、脂肪では3から4時間もの時間を必要とします。

 この様に血液中の脂肪濃度が高い状態で消費ができないと、多くの場合蓄積されることになります。この際、まず、腹腔内の内臓脂肪として蓄積されます。

内臓脂肪(白色脂肪細胞)はホルモン分泌細胞

内臓脂肪(白色脂肪細胞)蓄積しやすく、また容易に消費されるとされています。この内臓脂肪の数は20代後半にはほぼ決まって、それ以降では数の変化は殆ど無いとされています。しかし、中性脂肪を蓄積して巨大になった内臓脂肪細胞は様々な物質を分泌しています。特に遊離脂肪酸やTNF-α、アンジオテンシノーゲン・レプチンなどはいわゆる生活習慣病を引き起こす原因物質です。一方で内臓脂肪の量が増加するに従い、内臓脂肪細胞はアデポネクチンも大量に分泌することでTNF-αの働きを抑える一方、インスリンを介さないでブドウ糖を消費しています。アディポネクチンの減少は炎症惹起物質であるTNF-αの働きを抑えることができず、慢性炎症である動脈硬化を促進することが知られています。

高血圧

 血圧は活動時と比べ就寝時では、10〜20mmHg程度低くなるのが正常です。不規則な生活を続けると就寝しても血圧が下がらなくなり、活動時と就寝時で変化のない状態になります。数年間、この様な状態が続くことで動脈硬化に至とされています。

糖尿病

 日本人の多くはさほど肥満が激しくなくても糖尿病になる頻度が高いとされています。インスリンを介さずブドウ糖を筋肉や肝臓で燃焼させるアディポネクチンは日本人では僅かな内臓脂肪の増加で低下しやすく、欧米人と比較して糖尿病が発症してきます。